紀元前9世紀には、確実に存在していたバッグ。
「どうせ運ぶならできるだけ多く運びたい」
…と思ったかどうかは定かではありませんが、
物を運ぶためにバッグが考案されたのは
間違いのないところでしょう。
その当時を、もはや知りようもないほど、遥か以前より
存在し続けているバッグ。
そんな、長い歴史の中、ルネッサンス期に入ってからは、
男性はバッグを持ち歩かなくなるのですが、これは、
男性の服にポケットがつくようになったからのようです。
そう。
現代では、女性たちが斜めにかけている小ぶりのバッグ。
フランス語で「ポケット」という意味の「ポシェット」ですが。
中世には、それとそっくりのバッグ、「オモニエール」が
登場します。
主にお金を入れるための「オモニエール」。
これには、紐がついていて、腰のベルトに吊るす仕様で、
当時の貴族やその婦人に愛用されていたようです。
しかし、フランス革命以後は、簡単な服装が主流となったため、
これまでのゴージャスな服装のようにポケットがつけられなくなり、
手に持つ「INDISPENSABLE」(インディスペンサブル)と呼ばれる
ハンドバッグをもつようになります。
この「INDISPENSABLE」(インディスペンサブル)という言葉は
「欠くことのできないもの」という意味です。
革命後も、当然、人々の「お金を持ち歩く」という必要性は
変わるはずもなく、むしろ高まった、と考えるのが妥当でしょう。
なので、必然的に、「袋物に入れて手に持つ」という考えが
生まれるのは、自然の流れではないでしょうか。
そんな「袋」が、今のようなバッグの形、箱型の入れ物に
持ち手がついた、現在のバッグに近い形になるのは、18世紀頃。
ただ、当時の使用目的は、主に旅行用のバッグでした。
まだ、交通の便が良くない時代です。
旅といえば船に乗るなど、非常に長期間にわたるものでした。
目的地に着くまでに日数がかかり、その分、
一回の旅に持っていく荷物もかなりの量だったのです。
ですので、「できるだけ効率よく大量の荷物を運ぶ手段」として、
スーツケースタイプの大型バッグが次々に作られていました。
今のような、ファッションを楽しむためのオシャレアイテム
…という感覚は、あまりなかったようですね。
オシャレなバッグの文化が発達してくるのは、この後、
19世紀になってからのことでした。