「荷物を入れて運ぶ手段のための道具」であったバッグの存在も、
19世紀にはファッション的要素が強くなり、また一般に浸透するに
したがって、有名店(ブランド)というものが、確立し始めました。
有名ブランドといえば、エルメスもまた、世界中で愛されている
フランスで誕生した、ファッションブランドの一つです。
始まりは、エルメス社の創業者ティエリ・エルメスが
1837年に開いた馬具工房。
エルメスのロゴとしてデュック(四輪馬車)とタイガー(従者)が
描かれていますが、これは馬具工房に由来しています。
エルメスといえば「ケリーバッグ」(1935年発売、1955年に改名)。
この「ケリーバッグ」は女優で後のモナコ王妃、グレース・ケリーが
持っていたことから世界的なブームとなりました。
またエルメスの「バーキン」(1984年に完成)。この「バーキン」も
「ケリーバッグ」同様、女優で歌手の、ジェーン・バーキンから
きています。
シャネルのキルティングバッグなんかも、大流行しましたね。
社会的に、女性がより自立した存在になるにつれ、バッグの種類も
多種多様になっていきました。
仕事用には革のブリーフケース、日常生活にはカジュアルなバッグ、
夜にはエレガントで煌びやかなフォーマルなバッグ…。
人類はようやく、目的や用途に応じ、様々なバッグが選べるように
なったのです。
バッグの存在は、「荷物を運搬する」ということを遥かに超えて、
ライフスタイル、ライフシーンに合わせる、という価値観へと、
変貌をとげました。
そして21世紀の現代。
最近のデザイナーは皆、『イット・バッグ(It Bag=旬のバッグ』
を生み出そうと競い合い、ますます進化を続けようとするバッグ。
きっとこれからも、人類に荷物のある限り、バッグの歴史は
途絶えることはないのだ、と、思います。