島国特有の独自の文化をつちかって来た、日本。
カバンの歴史も、その風土に合わせた形で、進化を
していったようです。
江戸時代に近づくと様々なものが、登場してきます。
例えば、武士たちが鎧を入れた「鎧櫃(よろいびつ)」。
これは、今の感じで言うと、出張の際のスーツケース、
といったところでしょうか…。
あと、お医者さんの「薬篭(やくろう)」や、髪結いの「台箱(だいばこ)」。
これはまさに「仕事の道具入れ」ですね。
そして旅行や移動の際にも使った「柳ごおり」。
時代劇なんかではお馴染の、蓋付きの、箱状のやつですね。
大小様々なサイズの、あの竹で編んだようなアレです。
これらの箱は、この時代、すべて鞄の役割を 果たしていました。
が、どちらかといえば、木などの硬い素材でしっかり作られている
ものが多いので、整理箱に持ち手を付けた、「携帯収納箱」
という感じもします。
日本でのカバンの進化は、以外にゆるやかな感じがします。
これは一つに、日本人の装束、「着物」のしくみにあるのかも
しれない、と思います。
袖、袂、懐、帯…と以外に小物の収納には困らなかった「着物」。
それらをまとめて入れる、袋状の入れ物の発達よりも、
キセル煙草・銭・薬入・印籠など「小物ケース」が
充実していたように、思います。
また、一枚の布で物を包み運ぶ、という風呂敷文化もあり、
以外に、手提げカバンがなくとも、大きく不便のない暮らしが
あったのでしょう。
その証拠に、風呂敷は今でもなくなることなく、日本の
文化の中に残って活躍しています。
「カバン」が「カバン」として日本人の日常生活に入り込み、
生活の必需品となったのは、やはりご維新、文明開化の花咲く頃、
となります。